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昔、我が部署にはスーパープログラマと呼ばれた人がいた。いかにも天才肌らしく、夏場は半ズボンにTシャツの装いで、マスターアップ直前のとある昼に突然失踪したと思ったら、なんとちょっくらヨドバシカメラまで買い物に行っていたという猛者である。残念ながら、私の入社後すぐ別の会社へ転職してしまった。給料が三倍になったと言っていたらしい。▼彼のソースコードは実に特徴的だ。コメントが一切ない。あるのは一行目の署名だけである。彼はこう言っていた。コメントが必要なコードなんて、書き方が間違っているのだと。ちゃんと書かれたコードは、ただ読んだだけで意図も挙動も伝わるものなのだと。そうして五年後の今。コメントは親切につけることを心がけてきた私にも、ようやく彼の主張がわかりはじめてきた。たしかに、正しく、美しく、即ち、必要十分に機能を満たした最小限のプログラムは、それ自体が全てを語っている。もはや注釈は不要なのだ。
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