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花村太郎『知的トレーニングの技術』は、先日も書いた通り独習者のための良きバイブルになりうる本だが、三十分の曲に喩えるなら、強く感銘を受けるイントロに始まり、独創的なモチーフを展開しつつ十五分頃にクライマックスを迎え、名曲の予感を漂わせたところで急激に多義的で難解な引用句の海に沈んでいくといったところ。実際、読み終えて最も印象に残っているのが「はしがき」というのは、読んだ私としてもモヤモヤするところがある。知的ノウハウの伝授は難しい。▼「必要以上に知的生産のシステムを複雑にしたり、情報の精度を追求したりして、知的創造のために「考える」時間を奪われないようにすること。情報のメモ魔・整理魔になってデータの山にうずもれ、しまいに何のための情報整理かわからなくなってしまう(中略)はっきり言ってこれは、情報整理ごっこでしかない。永遠に準備体操をつづけるようなものだ。」創造という目的を見失わないように。
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