400
Post/Edit Page
将棋。最近は三分切れ負けルールの方でよく遊ぶが、劣勢のときの戦い方について、ひとつ会得したことがある。簡単な思考ルーチンだ。「相手の攻めに押されて手が止まってしまったら、敵陣――つまり相手側の三段目までのどこかに歩を打ち込めないか検討してみる。」▼将棋は攻め合いのゲームだが、敵の猛攻を浴びて自陣が危険に晒されると思わず反撃を忘れてしまうものだ。しかし、当然ながら相手は猛攻のために防御を犠牲にしているはずである。そうして、その脆い部分には案外『歩』がいちばん効く。相手の攻めが飛車の睨みを頼りにしているなら、飛車の横へタダで捨てる歩も十二分に働いてくれるだろう。こうした「攻めの形の守り」は意識の埒外に置かれることが多いので、私のような初心者は決め事にしてしまうと良いわけだ。手が止まったら、歩の検討。▼悩んだときに取るべき反射的な行動を定めておくことは、将棋に限らず全般に有効なテクニックである。
pass:
Draft