400
Post/Edit Page
南半球から一時的に帰国した元同僚と話す。半年間滞在してみた感想は、と月並みなことを訊くと、ゆったりしたところがすごく肌に合うと答えた。実に意外な答えである。なにせ彼女は日本にいたとき、まったくゆったりはしていなかった。▼曰く、たとえば他人が待ち合わせに遅刻してくるといったような、日本にいたときは出くわすたびにイライラしていた出来事が、向こうではあまりにも日常的に起こる。そうなるともはや怒るのも馬鹿らしく、他のみんなも笑って済ませているのだから、自分だけカリカリするのも無意味ではないかと、良い意味で感化されたのだという。他にもいろいろエピソードを語ってくれたが、要するに「世界は大らかなんだな」という感慨が、彼女のトークに響く通奏低音であった。▼日本はあまりにもせせこましすぎる。間の文化などといいながら空白の時間を極度に嫌う国民性は、やはり島国根性と言うしかないのだろう。彼女は楽しそうだった。
pass:
Draft