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日常性を妨げる困難に直面したとき、人は即座に代わりの緊急ルートを探す。たとえば卑近な例では朝の電車。乗り換えの駅に到達したところで人身事故が発生し、先の通勤路が断たれてしまった。さて、どうすればいいだろう。▼いろんな選択肢がある。復旧見込みを駅員に問い詰めて、徒歩の方が早そうなら歩いて行く。タクシーが拾えそうなら拾う、あるいは携帯で呼んでみる。別路線の乗り継ぎで辿りつけないか検討する。この駅まで行けば近くに繋がるバスが出ているはずだ、等。そうして私たちは最小限の遅刻で会社に辿り着く。情報収集力を駆使して最適な選択肢を選び出した手腕である。▼しかし、ここにはひとつ大切な視点が抜け落ちている。本当に大切な視点だ。即ち、出社を諦めるという選択肢である。実際、たとえ電車が遅れなくたって、会社に行かないという選択肢は常にあるのだ。そういう自然な発想が出来なくなるほど追い詰められないよう気をつけたい。
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