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メタ情報によって芸術の価値は左右されうるか、という議論はときどき起きる。音楽のタイトル、小説家の半生、絵画の社会的背景、建築の経済効果、ゲームの設定資料集。挙げればキリがない。▼イエス派もノー派も同じくらいの勢力だと思っているが、私の答えは今のところ次の通りだ。イエスかノーかと問われればイエス。ただし、価値の中に占めるメタ情報の割合が大きくなるほど、芸術はエンターテイメントに近づいていく。▼両者が地続きであって、しかもその尺度は貴賤ではないという考え方は特異でも目新しくもないが、作者が定めた作品という枠の中の価値と、メタ情報による価値の配合比率こそが横軸であるという定義はあまり見たことがない。これを私だけが辿り着いた真実などと吹聴するつもりはないけれど、作品のメタ情報という視点によって、自分の立ち位置がよりはっきりとする可能性はある。私はメタ情報を込めるのが好きだから、芸術家ではないのだ。
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