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大編成の曲で楽器の奥行き感をどう表現するかはひとつの課題である。これを諦めて全楽器をゼロ距離に貼りつかせると、たとえパンを広げたところで音響不足か音符過多のいずれかに陥ってしまうのは昨日述べた通りだ。▼では、ミキシング的にある楽器が「奥にある」とはどういう状態か。調べれば専門的な知識はたくさん出て来るが、端的にまとめればこうなる。一、ハイカット。遠くの音ほど高周波は落ちる。EQで適度にローパスするだけで音源は奥に行く。二、アタック。遠くの音ほど立ち上がりは鈍い。ディレイの調節で奥行きを表現する。三、リバーブのプリディレイ。遠くの音ほど反射音に埋もれてこもる。プリディレイが長すぎると原音が立って来て奥にあるように聞こえない。▼そうして最後に、音量。単純なことだが、遠くの音ほど相対的に小さく聴こえるはずだ。ミックスに凝ると忘れがちになるポイントかもしれない。あとは終わりなきバランス調整である。
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