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「私がそれを読まなければならない理由は?」あるいは「私がそれを聴かなければならない理由は?」といった読者・聴衆の素朴な疑問は、常に心あるクリエイターの悩みの種である。質の高い作品をつくる職人気質なアーティストなら猶更だ。物は良い。しかし見てもらえない。▼ニコニコ動画をはじめとする動画配信サイトの黎明期が創作者にとってバブルだったというのは、本来ストーリーテリングによって越えるべきマーケティングの壁を、動画サイトのランキングが肩代わりしてくれたことによるのだと思う。ランキングは優れた作品に対して「みんなもこれを見てるから」という強力な物語を与えてくれた。それが、《作品を乗せる物語》の創造を苦手とする人々を助けた。この場所では物さえ良ければ良い。物さえ良ければ、いつかは物語が与えられる……。▼そんな時代が終焉を迎えた今、改めて作者はメタ・ストーリーテリングを真剣に考えなければならないのだろう。
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