400
Post/Edit Page
日が落ちてから風の強い路を歩く。寒いとは思うが冷たいとは思わなくなってきた。三月頭のように暑い昼が来ても、どうせ夜はすぐ冷え込むし、次の日は打って変わって極寒だしで、春の訪れを実感することはできなかったが、今日のように暗くなってから生暖かい風を顔に受けると、ようやく春になって、もう冬は帰ってきそうにないと信じることができるようになる。次にまた気温が下がっても、それはもう寒い春であって、冬の残りとは思わない。冬は終わったのだ。▼最近、四季の移り変わりを気温でしか感じていない。自然に目を向ける余裕がないから。あるいは向ける目の視力が悪いから。それもそうだろうが、やはり良質な感性の摂取量が足りないのだと思う。漢詩を観たり短歌を読んだり、季節感のある小説を読んだりしていないから、脳が風情を忘れかけているのだ。そういえば映画もしばらく見ていない。三月の大イベントを全て消化したら、また入力を見直そう。
pass:
Draft