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『ライオンキング』を観る。アニメーション映画がようやく市民権を得始めた時代の、美しく滑らかな、古き良き絵柄のディズニーアニメ。今見ても現代的な3DCGに比べて何ら遜色ない。そのとき可能な表現手法で最高を目指した作品は、新たな表現手法が生まれた後もけっして陳腐化しないということだ。▼ストーリーの方は古典的な勧善懲悪で骨子にいちゃもんのつけようはないのだが、シンバの経験する苦難が少なすぎて成長に説得力がなかったり、ラスボスのスカーが想像以上に貧弱なライオンで、どうにも小物臭が拭い切れなかったり、結局、王国の荒廃と再興はハイエナを許容するかしないかの違いでしかなくて、王としての資質は関係ないのではという気がしたり、首を傾げることも少なくはなかった。『ヘラクレス』と同じく、高貴な血筋に生まれた主人公補正によって何もかも上手くいくタイプの物語である。好みの問題だが、私はそういう物語には興奮しにくい。
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