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ある音楽上のテクニックについて、数年越しで真実に気づいた。▼たとえばAマイナースケール上で、F−G−E−Aという展開に対して二小節目のGを低音をFのままにしてG/Fとすると、何かこれから大きな物語が始まろうとしているような、人をわくわくさせる壮大な響きを生み出せる。私はこれをマイナーのVI−VIIで使っていた。意識して使ったのは一度だけだが、コードトーンのルート上にトライアドを置くだけで曲を進めていた私には新鮮で面白かった。▼このG/Fの響きがなぜ気分を高揚させるのか。それに気づいたのはリディアンスケールをぼんやり眺めていたときだ。明るさの極地・リディアンの特色を示す#4。その#4がG/Fにはある。Gコード内のHがそうだ。つまりこの流れ、F−GではなくFアイオニアン−Fリディアンというモードの明転と捉えることもできることになる。スケールの一時的な#化。これなら高揚の感覚も納得というものだ。
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