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クレイトン・M・クリステンセン『ジョブ理論』を読んでいる。クリステンセン教授の最新刊。面白くないわけがない。▼内容は著者の独創性が生んだ素晴らしい新発見というよりも、ここ数年イノベーションやマーケティングに携わる人々が漠然と感じていた変化に対して与えられた「的確な説明」に近い。体系化された現状把握と言うべきか。『「こんなもの誰が買うの?」がブランドになる』だって主張の根幹は同じである。《典型的な顧客》など存在しない。百万人になんとなく訴求するより、誰か一人の切実な要求に答えられるプロダクト/サービスを考えよ。▼『ジョブ理論』の慧眼は、この「誰か一人の切実な要求」というあいまいな表現を、ある特定の状況で人が成し遂げようとする進歩=ジョブという概念に落とし込んだところにある。「状況」の二文字が重要だ。人を分析し、分類しても意味はない。大事なのは誰が買うかではなく、なぜ買うかなのである。つづく。
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