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子どもが名前を呼ぶと手を挙げるようになった。この頃は私たちの言葉が通じているようなそぶりを見せることが増えていたが、それもだいぶ確かになってきたと言える。お気に入りの本の果物の頁を見せて「バナナはどれ?」と訊くと、ちゃんとバナナを指してくるし、「りんごは?」と訊くとりんご、「トマトは?」ならトマト、きっちり区別しているらしい。ただしりんごとトマトはときどき間違えていた。色も形も似ているので無理もない。そこは目を瞑ろう。▼こうなると頭の柔らかいうちにいろいろ覚えさせてみようと欲が出るが、ここは親のこらえどころ。子どもには子どものペースがある。あれもこれも教えようとして矢継ぎ早に情報を押し付けた結果、覚えること自体に興味を失ってしまっては本末転倒だ。今の世の中、情報なんて与えなくてもそこら中に溢れている。しかるべきときに集中力を発揮できる能力さえあれば、覚えるべきことは勝手に覚えていくだろう。
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