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羽生永世七冠が誕生した。将棋界の歴史的快挙だ。前人未踏にして、これからも誰かが踏破するとは想像しにくい偉業中の偉業である。▼羽生が七冠を達成して以来、毎年、タイトルを落としたり若手に競り負けたりするたび、ついに羽生の時代は終わったと言われてきた。羽生も年には勝てぬ、と。しかし、羽生善治は必ず不死鳥のごとく復活した。新たな世代の新たな戦術に敗れようと、次の年は自らも最新の戦法を取り入れて若手の土俵で戦い、そして捻じ伏せた。年をとろうが頭の回転が鈍ろうが、自分は頭脳で勝負しつづけるのだという不屈の闘志を見せつけてきたのだった。▼とはいえ、六十、七十になっても現役の頂点にいられるとは限らないのもまた事実。今年、この機会が最後かもしれないという思いはあったと思う。しかも相手は宿敵・渡辺明。なんとしてもここで倒さなければならない。そんな意志が漲るような竜王戦だった。8四香からの七手詰めは美しかった。
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