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万人受けはしないけれど自分好みの絵柄、という画風は確かにある。嗜好に刺さるというやつだ。線のタッチが好き、キャラクターの絵柄が好き、全体の構図が好き、想像させる背後設定が好き――刺さる要因はさまざまだが、何が好きなのかを言語化できないことはめったにない。たいていの場合、なぜそれが好きなのかを言うことができる。▼ところが音楽になるとこれができない。万人受けはしないけれど自分好みの曲、という作風は確かにあるのだが、その理由を述べよと言われても、なんとなくとかフィーリングとか、しどろもどろになってしまう。せいぜい「Bメロのタメがいいよね」「サビの入りが痺れるよね」などと、肯定の対象を特定の瞬間に限定するのが精一杯だ。▼小説や映画に対しても好きな理由は言語化できる。できないのは音楽だけだ。なぜできないのかを考えてもできないものはできない。出来ている人がいる以上、得手不得手と考えるしかないのだろう。
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