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ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』読了。▼なんといってもタイトルが最高に卑怯だ。くまざわ書店で見かけたとき、一も二もなく衝動買いしてしまった。これほど引きの強い題名にはしばらく出会っていない。どうして買わずに別れられようか。天才の所業である。▼これで中身がくだらないハウツー本ならタイトル詐欺だが、どちらかというとタイトルの方が軽すぎると思われるほど真面目でディープな読書哲学である。「読んでいない本についてコメントする方法」という具体的な状況を題材にしつつ、そもそも本を読んでいる/読んでいないとはどういうことなのか、なぜ人は本について読んだとか読んでないとかにこだわるのか、読んでいない本について語ることは本当に恥ずべきことなのか、などなど、読書にまつわる禁忌とも言える謎を、豊富な例示を交えて鮮やかに解き明かしていく。スリリングな思考実験の本である。オススメ度は高い。
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