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榎本博明『上から目線の構造<完全版>』読了。結局「教養主義」より先に読み終わってしまった。▼上から目線と一口に言ってもいろいろある。年長者が権威を示すためだけに振りかざす暴力的な上から目線もあれば、実際に知識も経験も豊富なベテランが後輩に助言を与えるような親心からの上から目線もある。そうして、どちらの上から目線に対してであれ「その上から目線をやめてくれませんか」と過敏に反応する若者もまた、裏を返せば、相手に対してもっと「自分を気遣え」という上から目線になっている。あらゆるところに上から目線が潜んでいる。上から目線になってしまう人、なってしまっていないかと怯える人、正当な上から目線ですら嫌悪し苛立つ人……。現代人はなぜこんなにも「上から目線」を意識し、その存在に悩まされなければならないのか――という話。▼序盤はありきたりすぎる心理学の話だが、恥と甘えの日本文化に着地する後半の展開は良かった。
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