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取り舵・面舵の由来が思ったより錯綜していたので、まとめ。右に行くから東(卯)の舵が転じて面舵、左に行くから西(酉)の舵が転じて取り舵という説明はどうやら不十分らしい。▼古く日本の航海では船の進行方向を簡単に知るため、十二支を北(子)に対して左右反対に配した「裏針」という羅針盤が使われていた。この裏針の北を船首の向きに固定すれば、針の指している先の干支が即ち船の進行方向となるという発明である。この裏針の西方向は酉ではなく卯だ。卯の方向、つまり左である。舵柄を左舷方向に倒せば船は右方向に旋回する。卯の方へ倒すこと、卯の舵、右への旋回。▼ここに至ってようやく卯の舵=面舵が右方向への旋回である理由がわかる。裏針と舵柄による操作が方向を二重に打ち消し合って、結果的には現代の舵輪で言うところの卯と右が一致してしまったというわけだ。なんともややこしい。ややこしいが納得できる。面白い話を聞かせてもらった。
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