400
Post/Edit Page
どの国のいつの時代にも陰謀論に傾く人々は一定数いる。ウィキペディアの「陰謀論の一覧」ページを見ていると眩暈がしてくるほどだ。▼陰謀論が魅力的なのは、陰謀論を信じる側に立つことで、信じない側に対して反駁不可能な優越感を得ることができるからだと思っている。陰謀論は、その内容自体が一般には伏せられているという理由により、反証することができない。つまり、陰謀論を信じる人に「そんなわけないだろう」と指摘しても、彼は常に「知らないというのは可哀そうなことだね」とメタレベルで嘲笑することができる。陰謀論を信じない時点で土俵が違うと断定し、無条件で知的上位に立つことができるわけだ。▼真面目な議論の果てに正しく認められるという経験をしなかったというよりも、昔はそれができていたのに、いつからかできなくなってしまった人が手っ取り早く知的エリートに復権しようと手を出す麻薬が陰謀論――そう言っても過言ではあるまい。
pass:
Draft