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大昔に読んだ漫画でも、不思議と記憶に残っている場面がある。そうして、そういう場面を大人になってから改めて集めてみると、意外と共通点が見つかったりもする。▼たとえば『ドッジ弾平』で強豪B・Aを相手に球川小が2−1の有利をもぎ取ったシーン。残り時間は数秒なので勝利確定の状態だが、主人公・弾平は相手エースの剛球を受けて宙に舞いながらも「てめーのつらにぶちこむまでは終わらせねー!」と吼えて残り一秒で球を投げ返す。このコマが非常に格好良いシーンとして記憶に残っている。▼そうしてふと考えてみると、他の漫画でも似たような展開を数多く気に入って、記憶に保存していることに気づく。つまり、私はきっと、勝利以上のものを求めようとする主人公の精神性が好きなのだろう。良い結果や総合的な損得よりも自分の刹那的な情熱を優先する姿勢に美意識を見出しているわけだ。それが、幼少期から変わらぬ私にとってのカッコイイなのである。
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