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ときどき洋書が読みたくなる。が、それを妨げる心理的な障壁が、あの紙だ。ぱさぱさでごわごわで、一度読み終わるとドライヤーをかけたみたいにぶわっと広がってしまう、あの紙質。どうしても好きになれない。文庫本とは言わないが、せめて新書クラスのつくりで手ごろな洋書が出てくれたらいいのにと思う。▼「ペンギンリーダーズ」でいいじゃないかと言われそうだが、わがままなのは承知の上で言うと、あれではラインナップが狭すぎる。読む本は自分で選びたいのだ。こうしてないものねだりをしていると、日本の文庫本がいかに恵まれた知的資産であるかを改めて思い知らされる。ポケットに文庫本を。私利私欲でなく、本当に国の知性を高めたいという熱意を持って創刊したのだろうと思わされる。頭が下がる思いである。▼だが、それに慣れてしまったことが悲劇である。電子マネーもそう。日本の国際化を阻んでいる最大の原因は他ならぬ日本の快適さなのだろう。
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