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「俎上。敷衍。薫陶。……そんな日本語は知らないな。辞書には載ってるけど。使うことなんてまずないよ。知っている必要はないと思う。」▼ネイティブがそんな表現は使わないと言っているから、その語彙は憶える必要がない。しばしばそんな意見に出くわす。コミュニケーションは僅かな語彙だけでも成立する。生きた英語を学ぼう。そんなふうに主張している。難しい言葉を習得するのはマニアであって、言語学習の本質ではない。そう考えているようだ。▼全否定はしないが、この手の話を聞くと、私の脳裏には最初に挙げた架空の発言が浮かんでくる。この日本人の言うことを信じて冒頭の語彙達を不要と切り捨ててしまってよいものだろうか。ビジネスの、研究の、政治の世界でグローバルに活躍したいと願う人が。ストレートに言えば、尋ねたネイティブが――その国の言語レベルにおいて実は低水準である可能性を――検討しなくてよいのだろうか。そういう話である。
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