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文句なく、この冬で最強の寒波だった。▼帰路。スマホを持つ右手が凍える。丈の短いダウンでは冷気を防ぎきれず、身体も芯まで冷えていた。少しでも身体を温めたくて早足になる。これこそが真冬の寒さである。暖房の効いた家についたときは、ほっとした。▼ところで、私は今「早足」と書いた。「速足」ではない。しかし、なぜだろうか。時間的に先行するイメージの「早」と、純粋な速度の大きさを示唆する「速」なら、明らかに後者の方が「はやあし」のニュアンスに適している。だが、実際、辞書の表記は「早足」である。「速足」という表記は存在しないか、二番目以降に落ちている。▼すっきりする答えはない。先に書いた早/速のイメージは基本であって、実際には例外がたくさんあるというだけの話だ。「素早い」が「素速い」と書かないように、「早」にもまた物事をささっと行うという意味がある。言語は生きている。ルールを当てはめようとしてはならない。
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