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とある会で。若い子が息巻いていた。曰く、先輩が無能すぎるのだと。勤続十数年目のベテランである。だが、彼から見れば、何もできないし何も仕事をしないチームの癌だという。やがて刃はさらに上へと向かっていく。あの人もたいした人じゃない。意味不明な要求ばかりしている。頭が悪い。センスがない。……。▼そういう諸々を、心に秘めているうちは良い。先輩を目の上の瘤と見なして自分の方が上だと思い込んでいても、視野が広がって自分の不見識が明らかになったとき、それをひっそり心の中で握りつぶしてさらなる成長の糧にすることもできる。だが、ひとたび口に出してしまったら、撤回することはできない。いつか現実に気づいても、現実の方を否定するしかなくなってしまう。絶えざる自己正当化への道である。▼見えていないのは自分の方かもしれないという疑いを常に持ちながら、同時に心の中では自信満々であることが、いちばん良いバランスだと思う。
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