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出社。いつもと変わらない光景。食事もあれば、会議もある。いたって普通の、平穏な仕事場である。▼だが、こうした見せかけの平穏が、事態の深刻さを覆い隠している節もある。明日にでも緊急事態宣言が出て、主要都市が閉鎖され、多くの社員が出社すらできなくなるかもしれないのに、その場合の代替プランを考えるのは、野暮な心配だと見なされるのだ。「そうなったらそのときに考えればいい。」テールリスクの黙殺は、旧日本社会に深く根付いた病理のひとつだと思う。▼二年前に転職した後輩から、全社員がテレワークに移行したことを知らせるラインが来た。自宅に構築された作業場の写真付き。コロナが騒がれ始めた二月から段階的に準備を始めて、ようやく環境が整ったそうだ。もし長期的な封鎖が現実となったら、こういうところで競争力に決定的な差が出てきてしまうのだろう。良い会社だが、できない理由を並べて変化を拒絶する文化だけは好きになれない。
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