400
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帰り道とか、電車の中とか、そういう場所でときどき、思いがけず「格好いい理屈」を思いつくことがある。創作について、仕事について、あるいは人生について。だが、家に帰ると全部忘れてしまう。パソコンの前へ座ったときは、もう主題も思い出せない。今日のネタはこれにしようと思ったときでさえ、幻のように消え失せている。▼メモを取ろうとは思わない。予感がある。思いつきをメモに残して記録したら、「400」はもっとクールなエッセイ集になるだろう。だが、同時に私が本当はそうは思っていない、あるいはよく考えたらそうでもなかったという主張まで、書かれてしまう気がする。そうして、その字面の格好良さ、エッセイとしての出来の良さに引きずられて、私の本心まで改竄されてしまいそうな気がする。頭の中で十分な時間検証されて、自分の言葉として自然に表れてこない主張を文章にまとめるのは、実は危険を伴う行為だと心のどこかが警戒している。
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