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アプリの串刺し検索は便利だ。紙なら何度もめくりなおさなければならないところを、検索一発で文字通り串刺しにして並べてくれる。辞書同士での定義や用例の比較を頻繁にしていた人にとっては、これに勝るデジタル時代の福音はあるまい。▼だが、私はあまり好かない。辞書への愛着が感じられないからだ。実際、私の学習の記憶は、その時々で使ってきた辞書の顔ぶれに紐づいている。何を学んできたかと同じくらい、誰と学んできたかも大切なのだ。それが学びの旅というものだ。たとえ途中で変えることはあっても、これと決めたらしばらくはこれで行く。そういう決め打ちがなければ、辞書は相棒にはならない。ヒロイン不在の物語である。なんでもできる万能アイテムを携えた、ただの一人旅になってしまう。▼ゲームのお気に入りキャラと同じだ。いつも隣にいてくれるから冒険が楽しくなる。出迎えてくれるキャラクターがランダムでは、トップ画面は少々さびしい。
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