東方連奏曲 II Pianoforte

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創作後記

制作当時を思い出しつつ、特に記憶に残る出来事と思索の跡とを、時系列順に断章形式で書きました。まったき思い出日記。読む人の便宜も考えず、やたらと長くなっていますが、ご容赦ください。

これはこうして作った、あれは入れたかったけど入れられなかった、等々、創作の裏話も多少含まれますので、いわゆるネタバレめいたことが無きにしもあらず、ですからそういうものを読みたくないという方は、そう特別に面白いことが書いてあるわけでもありませんので、ここから先は読まずに置いていただければと思います。

ことのはじまり

数ある東方曲の中から41曲を選び出し、前作東方連奏曲Pianoforte(以下、前作または連奏曲)を作り上げたときには、続編を作ろうという気はあるともないともなく、平たく言えば何も考えていませんでした。二作目を考えて組んだわけでもなし、惜しみなく曲を注ぎ込んだことからすれば、あるいはメドレーはこれきりと思っていたところが強かったかもしれません。そうして単品集やウサテイPianoforteなど遊び遊びのピアノライフでただうかうかとのみ日を送り暮らしていたわけですが、しかし選ばなかった子というのは往々にしてあとから愛着が湧いてくるもので、九月に入ってふと気がつけばもうひとつ、まだ手を触れていない曲たちでメドレーの花束を編んでみたいという気持ちになっていたのでした。

そんな成り行きだったので、冗談で余りものメドレーなんて呼ばれることもありましたが、真面目な話では連奏曲のオマケ的なものにするつもりは毛頭なく、むしろ前作から見れば有名どころとはいかないラインナップで、どうやって前作を超える作品を作り上げるかということを、真剣に考えていました。地霊殿という新作要素もあって、やってやれないことはない。出した結論が、前作のオールスターメドレーに対して、今作はできるだけ有機的に組もう、one for all, all for one、前後のみならず全体とのつながりもしっかり考えて、懐石料理のような作品に仕上げてみよう、というものでした。こうしてここに企画コンセプトが定まり、ファイル名を「projectPianoforte2」とした新たなファイルがひとつ、アレンジフォルダに加わったのです。

連奏曲スタイル

連奏曲とはふつう、同じ楽器を二台以上並べて演奏する曲のことを指します。ピアノを二台つかっているので連奏曲、というのが前作東方連奏曲の名前の由来。ただし「連」の文字がメドレーを想起させるので、そう取っていただければそれはそれで都合がよいだろう、という目論見もありました。これはある程度成功したように思います。

さて今作にもこの連奏曲の名前を冠するなら、それには前作が持っていたであろう連奏曲スタイルとでも言うべきものを受け継いでいることが望ましい。では連奏曲スタイルなるものがあるとしたら、何だろう? そう考えたとき、なによりも捨て難かったのがあの「四部構成」だったので、これをそのまま踏襲することにしました。とはいえ、何もかもまったく同じ構成というのでは少々芸がないし、できれば一か所くらいは前作とはちょっと違った趣向で臨みたい。そこで第三部を、マッシュアップはマッシュアップでも、局所カップリングや合う曲ベースではなくて、つながりのある二人でリレーをしていくのはどうだろうと思い立ち、これは考えてみても面白かったので、即採用となりました。

こうして準備は整い、三部はキャラクターリレーに決定。しかしこの軽い遊び心がきっかけに、とんだ地獄を見る羽目になろうとは、このときはまだ知る由もなかったのでした。

第一次リストラクチャリング

はじめはとにかく対象曲を延々聴きこんで、候補となる曲を選びます。そうして取捨選択を行いながら、調性や展開を考慮しつつさながらパズルのように曲目を組み立てていく。手元に残っている曲目表のエクセルシートを見ても懐かしく思い出されますが、この作業がたいへんながらとにかく楽しい。構想の快感に加えて、一種数論的な快感があります。

しかしここで、前作でも今作でも入れてあげられない曲というのも決まってしまう。涙のリストラクチャリングの時間です。

まっさきに首になったのは「クリスタライズシルバー」でした。「死体旅行」とキーが被ってしまったので、地霊殿ボスは全員入れようという決まり事を優先にして、やむを得ず二部のeから撤退、しかし代わりに入るべきところもなく、泣く泣く除外しました。そのかわり「無何有の郷」では画像にレティを入れることにして、せめてもの参加ということに。三部からは映姫様が、デッドエンドになってしまってリレーにならないので「六十年目の東方裁判」と、そのとばっちりを喰って「彼岸帰航」がエリミネート。また「黒い海に紅く」「有頂天変」の緋想天組が入ったことで、四部が長すぎるという理由から、「夜が降りてくる」「ネクロファンタジア」の流れが消え、その後やはり四部はラスボス(EXボス含む)に限定したいということから衣玖さんが除外され、四部はいまの形に落ち着きました。

ほかにも曲調的な理由や調性的な理由から「天空のグリニッジ」「ブクレシュティの人形師」「ヴォヤージュ1969」「ポイズンボディ」「お宇佐さまの素い幡」あたりが初期メンバーから外れています。仕方ないこととはいえ残念至極。せめて単品アレンジにあたっては、優先的に考えてあげたいと思います。

秋姉妹のサビ喰いつなぎ

「少女がみた日本の原風景」のサビは素敵です、たいへん盛り上がります、でも序盤いきなりあれをフルで持ってきてしまうと、二曲目が長くなりすぎるばかりか少々アクセルが過ぎる。かといってサビ直前でいきなり曲を切り替えるのも唐突です。そこで、秋姉妹に食べてもらうことにしました。いっときの消化不良も秋姉妹の愛嬌で中和とばかり、聞き慣れればそれほど問題はないようで、満足しきらず推進力を維持したまま先に進めるという意味では上出来な序盤のつなぎになったと思います。

三拍子と地霊殿ズ

三拍子へは秋姉妹のメロディを内に残しつつ移行、素直につながってくれました。原曲ややエコー気味のピアノは、一瞬ずらしたオクターブで再現。またこのあと三拍子つながりで「暗闇の風穴」につながりますが、そのあと「封印された妖怪」とつづくので、実に地霊殿三連続。調性と展開を考えて組んだら後で気がついたことでした。恐らく原曲からして、近い調性、相性のいい展開に作ってあるのでしょう。素晴らしいことです。

ちなみに「緑眼のジェラシー」は地霊殿の曲の中でいちばん好き。

でみ

でみがいいよね、ここはでみより抑えて、でみの演出は……と、完成以後は内輪に「でみ」の愛称で親しまれたDemystify Feast。あの扇情的なサビの入りをもって是非とも第一部のクライマックスとなすべく、かなりシビアに評価して作り込みました。さらっと作ってさらっとよくできた、というところではまったくもってありません。第二案、第三案と修正を重ねるもなかなか納得いくものにならず、一日また一日と思案していたところへ、そもそも進行からして変えていく必要がありそうだ、というVirus Key君のダメ出しがきっかけに、メインフレーズを残しての再打ち込み、低音を消したppをワンフレーズ挟みつつ、強弱を整え整えようやく納得できるものになりました。苦労度では三指に入りますが、完成度も同様です。

ちなみに画像をどうするかでまたひと悩みありましたが、もともと誰の曲ということもない曲なので、素直にバックでかかる機会のいちばん多いレミリアにしました。迫力重視なら適任です。それでいてやっぱりどこか和むところのあるあの容姿。立てばカリスマ座れば幼女、歩く姿はおぜうさま。

ルーミアひと鳴き

不死の煙の最後の最後、高音でルーミアがひと鳴きしてから妖魔夜行に入りますが、あれがけっこうお気に入りです。「ラードーシラソーラー」。あれを彼女の叫びだと思ってみると、ちょっとルーミアが可愛くなる。

いちばんはじめに頭にあったもの

もうひとつの連奏曲、と思い立ってまっさきに決定したのが、実は前作のオーエンポジションにグリモアを、ということでした。したがって二部の構成はこのcisのグリモアと、スタートがgのエクステンドアッシュというところから、順次組み立てられています。二本柱が立っていると、縄は思い通りに張りやすいもの。ここを過ぎればあとはマスタースパークまで雪崩込むばかりという目安にもなって、たいへん助けになりました。曲としても思惑通り、立派にはまり役をつとめてくれたと思います。グリモアの旋律はほんとうにかっこいい。

死体旅行の「シ」

「ミファソーシーラー、レーラー『シ』ー」。死体旅行入って七小節目アタマの音。今作でもっとも印象に残った音をたった一音だけ挙げよと言われたら、迷わずこの「シ」を選びます。高貴で、わがままで、それでいてしゃんとした、猫みたいな音。ベース以外どんな和音も受け付けず、自分だけが「こーん」と響かないとくすんでしまうクセに、単音で鳴らすと妙に薄っぺらくなる。実に手を焼きました。いろいろ試した結果、下に「レ」をppで添えてあげるとようやく上機嫌になったかなと思えて、ほっとしたものです。

この辺一帯がいちど静かでやさしい雰囲気になっているのは、紛れもなくこの音のせい。結果的には展開としてそれで上々だったのですが、それにしてもこう周りの展開まで変えさせてしまうような音があるんだなあ、なんて感心するやら惚れ込むやら。そうして解決した日には頭の中で反芻しつつ書籍部のまわりを歩いていたら、授業に遅刻したというオマケさえ有之候。

転調しない二部の曲

レトロスペクティブ京都は第二部では唯一途中で転調していない曲です。レトロスペクティブ京都とマスタースパークのつなぎ、というよりもレトロスペクティブ京都の最後のほうは高音のマスタースパークがかなり強く響いているので、実質マスタースパークとマスタースパークのつなぎみたいなものですが、ラスト直前、テンションをあげるために敢えてそこで転調することにしました。原曲もここでf -> fisと+1転調しているので、違和感はまったくありません。

きらきら魔理沙

ここでの魔理沙の使命はとにかくきらきらすること。これこそ魔理沙だ! と言えるような、フルアクティブな魔理沙にしたかった。逆に言えば、それ以外のことはいっさい考えないで、細かいことも難しいことも抜きに、ひたすら輝いてみました。最高音の右端ドもここで登場します。やかましいと思うくらいでちょうどいい、くらいの気持ち。マスタースパークに遠慮と手加減の文字はないっ。

ヘッドフォンが逝く

もとはと言えばリスニング用に買った4980円の、リーズナブルとミドルレンジの中間くらいのヘッドフォンでしたが、登校時にはカバンに詰め込み電車で押され、家ではそこらへんに放られていたのを引っ張られたり踏まれたり、思えば相当な無茶を強いてきたにも関わらず、なんと五年半も持ってくれました。見事な大往生、いままでほんとうにありがとう。

後任はナントカカメラで片っ端から聴き比べ掛け比べて、耳につく感じの良さと、ROIを考慮してVictorのHP-RX900を買いました。もっとも先立つものがなかったのですぐには買えず、ちょっとの間スピーカーで作ってましたが、あとで再調整したので問題はありません。

第二次リストラクチャリング

ここで第三部を手掛けるに先立って、二回目の再構成。実を言うとこの段階ではまだ、墨染の桜からオリエンタルダークフライトに至る道を決めかねていました。つまりゆゆさまから魔理沙へどう繋げるか。幽々子、紫、八雲家といって、橙から子供たちつながりでチルノへ持っていき、マリチルマイジャスティスというルートもあり、紫から霊夢へ行って、そこからレミリア、パチュリー、魔理沙というルートもある。けれども最終的にいまのみすちー経由のつなぎに決まったのは、「幽夢」の存在が大きかった。あれがつなぎ役として、かつ三部後半でクライマックスに向けていちど体勢を整えるのにちょうどいい曲調でしたし、リグルと魔理沙を幽香で渡すというのも、他のふたつに比べてありきたりに堕してないところが面白いかなと思ったわけです。

そういうわけで、紫以下の別ルート候補の曲たちはここで除外となりました。さいわい、みんな前作には出ていた子たちだったので、それほど気が咎めることもなく。むしろ前作にいなかった幽香が優先されたのは、結果良好だったと言えるでしょう。

Justice!

世界めーさく劇場。ジャスティスといってもあんまり百合っぽいことは考えてません。門番とメイド長で仕事には上下あり、けれどもオフになれば気心の知れた友人、となれば立場も年に従ってしぜん逆転するにちがいなく、そんなふたりを想像すると、これはなかなか魅力的な関係に見えてくるというわけです。咲夜さんは美鈴と呼び捨てにしつつ敬意を払い、美鈴のほうは咲夜さんと丁寧に呼びつつどこか子供扱いしてる、みたいな、しかし語りだすと止め処ないので打ち切ります。

フラワリングナイトは混ぜるにあたっては万能系、大体どんな曲とも合ってくれそうです。ただ旋律がそんなに主張してこないので、浮き立たせるためにいくつか工夫はしました。

さくみょん

さくみょんコンビ、けっこう好きです。好敵手でも友だちでも、妖夢からすれば咲夜さんは素敵な理想像、咲夜さんからすれば妖夢は立派な頑張り屋さん、仲の良い姉妹さながら、気持ちのいい付き合いができそうじゃありませんか。

そういうわけで是非ともやりたいと思っていたミックス、しかし広有射怪鳥事とメイドと血の懐中時計を綺麗に混ぜるのは想像以上にたいへんでした。懐中時計が途中で転調するからというのもありますが、広有射怪鳥事の旋律が目立ちにくいということと、そもそも進行が全然違うということがネックになって、強弱のつけかた次第で聞こえ方がまるで変わってしまう。予想以上に苦労しました。けれども予想以上にというのは、単に三部のキャラリレーを甘く見ていただけで、この先はほとんどすべて予想以上にたいへんだということを、まもなく思い知ることになります。

翔けろ夜雀どこまでも

三部の入りで一旦テンポを緩めていますから、ここは貴重な加速ポイント。下からじわりとやってくるゆゆさま旋律、焦るみすちーの気持ちをそのままに、加速、加速。みすちーソロになってからの「ででーん」はもともと、退屈回避のためにあったほうがいいかもしれないとVirus Key君の提案でしたが、単に抑揚のためだけでなく、振り返ってみたら「まだいる!?」とさらに必死に速度を上げる彼女の姿が思い浮かんだので、ぜひ入れることにしました。

あと余談ですが、みすちーの衣装デザインは幻想郷のなかではピカいちだと思います。

私より上で鳴るなんて何様かしら

リグルと魔理沙をつなぐ貴重な架け橋、幽香。「今昔幻想郷」はマッシュアップには不向きも不向きの三拍子ですが、「幽夢」のほうはさいわいつなぎ役として優秀でした。

蠢々秋月と幽夢のメロディは、一小節ごとに上下が入れ替わっています。リグルのメロディが上に出ると、叩きつけるように低音を鳴らして駆け上がり、蠢々秋月を踏み越えて幽夢のメロディが上を演奏する、という仕掛け。あの幽香のこと、抑えつけられるのはなにより性に合わないでしょう、ましてリグルが相手ならなおさら。けれどもちょっとだけ相手に希望を持たせておくところに、虐めっ子の性質が見え隠れするというわけです。ここだけ一小節ごとに上下が入れ替わるのは、そんなささやかな思惑あってのことでした。

相性抜群巫女コンビ

ラストリモートを地霊殿ではじめて聴いたとき、これは春色小径……となんとなく思っていたのが、大方当たりだったようで、特に細工らしい細工もなくしっくり溶け合ってくれました。なかなかぴったり来てくれない組み合わせが多かった中、貴重な相性良しの二曲です。

テンポトラック

今作と前作の大きな違いのひとつに、テンポの揺れがあります。もともとがゲームのBGMですから、ピアノアレンジとはいえできるだけテンポは揺らしたくないと考えていたのですが、要所要所で効果を狙えるときには、自分の呼吸をはかりつつ、それに合わせて揺らすようにしました。それにしてもハルトマンは物凄い揺れてます。テンポの調整だけで実に二時間くらいかかってます。がんがん揺らしたと思ったあと、弟に聴いてもらったら、どうせ揺れるならもっと揺れてるってはっきりわかるくらい揺らしまくったほうがいいんじゃない、って言われたのでさらに振幅を増やしてぐらぐらに。テンポトラックが発声の信号スペクトルみたいなことになってます。

地獄の八小節

ハルトマンラストの八小節は、ほんとうに思い返せば思い返すほど、我と我が身とVirus Key君を労ってやらなければいけない。テンションをキープしたまま鬼が島につなぐのは、至難の技でした。なんどやっても低音と高音のバランスが取れない。進行も手を加えないとどうしても抜けた感じになる。改訂に次ぐ改訂、相談、提案、実装、書き出し、検討、破棄。トライアンドエラー、スクラップアンドビルド、ドーパミンとストレスの永劫回帰。この八小節のせいで、六日間止まりました。まず今回のMVPですね。Most Vicious Phrase。

ピアノの国の鬼が島

鬼が島のメロディはかなり好きです。スタッフロールが流れてきそうな「ラスト」感が素敵。しかしあのトランペットの切ない印象を、どうやってピアノで表現するかがいちばんの課題でした。原曲は同じ進行で四週するので、四週とも雰囲気は変えるよう工夫しつつ、三週目に細く上に駆け上がっていくフレーズを活かすために、二週目で進行を微変化させて、転調、急降下、クライマックス、さらに落ちて落ちてどーんと鳴って中間部……と構成にかなり気を使っています。すべては原曲の切なさを再現するため。もっともそういう生一本な目標があると、しぜん全体としてまとまりがついてくれるのは嬉しいことです。

天子の耳コピ天国

ご存じ有頂天変のクライマックスには、ピアノによる超高速アルペジオがあります。これの耳コピが楽しみで楽しみで。こういう鬼フレーズを取ってくるのはすこぶるたいへんですが、そういうたいへんな耳コピが好きなんです。Mじゃありませんよ、むしろ征服したときの感覚が堪らない。それでもウサテイPianoforteほど難しくはなかったので、事実上あれより厳しい耳コピにはまだ出会っていないことになります。

ラスト直前に要求される「盛り上がりつつも経過句的な」というところで、非常にいい仕事をしてくれたと思います。天子がだいぶ好きになりました。次のキャラソートで上位に昇ってくるのは確定的に明らか。

CAUTION!!

警告音、当初は半音階上昇でやろうと思っていたのですが、いざやってみるとどうもチープになるので、思案に暮れていろいろ試していたところ、BPM178でもっとも低いドの鍵盤を8分刻みで一定間隔に、ペダルを踏みっぱなしにしてクレッシェンド、デクレシェンドしつつ叩き続けると、共鳴して警告音のように聞こえるということを発見。欣喜雀躍。ちょうど音も近いところで響いてます。これ以上強く叩くと、叩く音のほうが聞こえてしまって共鳴が潰えてしまうので、音量的にはそんなに大きくなりませんが、ピアノならではの面白い形でCAUTION!!を表現できて、たいへん満足しています。

魔理沙、魔理沙、魔理沙

ところで今回の問題児は誰だったでしょう。わかりますか、ちょっと難しいかもしれません。ヒントは恋色マスタースパークとオリエンタルダークフライト……。

最終調整期間は、魔理沙のことばっかり考えていた一週間でした。とにかくぴったりこないのがマスタースパークとオリエンタルダークフライト。この二曲が最後まで調整の手間を掛けさせた上、イラストも最後まで探しあぐねたのが魔理沙。動画の演出も最後に手掛けたのが魔理沙。数ある魔理沙を乗り越え乗り越え、やっとのことで公開に漕ぎつけたという気さえします。前作の姫様以上に問題児でした。


しかし、こうして何もかも終わってしまえば、費やした時間はすべて幸福な夢の如し。たいへんだったと思わないでもありませんが、あの作っているあいだの比類なき楽しさが忘れられなければこそ、きっといずれまた次回作なんて言い出すに違いありません。そのときにはまた、どうぞよろしくお願いします。

たいへん長くなりました。それでは最後に、この作品を作るにあたって幾度も途中経過を聴いてもらってはあれこれ語り合うやらアドバイスを貰うやらたいへんお世話になったVirus Key君に、作品をご視聴してくださった皆さまに、コメントをいただいた方々に、そうしてこの長い創作後記をここまで読んでくださったあなたに、ありがとうございました!

09.02.26 しらは