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「魔法の名による非難は民衆の無知に比例して危険なものとなる。そのとき、一市民は常に危険にさらされる。この世で最善の身の処し方、この上なく清らかなモラル、あらゆる義務の実行もこの犯罪の疑惑にたいする保証にならないからである。」▼近頃、政権交代をめぐってにわかに政治まわりがざわつき始めている。特別疎くもないし興味もないが、ご意見板で売国奴だ国賊だと過激なレッテル語を見ていたら、何となく上の「法の精神」の一節を思い出した。魔法の二文字を適宜読み換えてみたい。▼遠い魔女狩りの時代、美しい貴婦人は女たちに、商売で富を得たものは同業者たちに、成功者は非成功者たちに、常にこう指さされた。「魔女だ。」そうして人の際限のない妬みの中、正しく清らかなものから順に消えていったのだ。▼発言の自由度と文化の健全性にたいした相関はない。情報が一見氾濫しているように見えるこの現代、果たして民衆の無知はどの程度のものか。
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