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記憶、学習、思考、知覚、感情――これらの脳の機能にすべて説明がついたとき、そこにまだ何か残っているものがあるか? そこで取りこぼしたものは意識なのか、クオリアなのか。あるいはそんなものは存在せず、意識は幻に過ぎないのか? いわゆるハード・プロブレムである。▼ある実験によると、自由意思の有無を問われた学生の多くは「存在しない」という結論に達するらしい。ところがそういう学生も、授業が終わればたちまち自由意思があるかのように振る舞う、そう振る舞うことを捨てきれない。理論と態度に明らかな矛盾を生じる問題だ。本当に不思議なことだと思う。▼「意識は人間の肉体や、その機能そのものである。」今はそう言っておかなければ、ニューラルネットワークによる脳機能の再現などやっていられない。しかしどう信じているかと問い詰められれば別だ。自由意思も然り、そう簡単に決められる問題ではない。だから「ハード・プロブレム」だ。
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