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「反復とは差異を反復することで、差異とは反復される差異なんです。」この文章の意味こそよくわからないが、音楽におけるフレーズや展開は、反復されることで差異が映えるし、聞かせたい差異は反復されるべきだ。ジル・ドゥルーズに倣って「差異と反復」を意識しながら物を考えると面白い。▼「ゴシック式教会は一種の結晶作用と言われた。そしてそれは正しい。紀元一三〇〇年頃に、建築術はこのときまでそれがもっていたいきいきした移り気、多様さのすべてを犠牲にして、ただ無限に反復することを始めたため、スピッツベルゲンの単調な結氷と競争を始めることになってしまった。」▼ミシュレはこう言った。しかし単純反復の美もある。たとえばケルン大聖堂を見ると、アスペクト比を横に潰したような流線型の集積に圧倒される。いかにも自然発生的な結晶美だ。多様が常に造形美とは限らない。ちなみにゴシック教会を結晶に喩えたのはシャトーブリアンである。
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