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ブランデンブルク協奏曲を聴いた。いかにもオーソドックスな管弦の響きは、耳を傾けているだけでも心地いい。六番全部で九十分というまとまりのいい長さも魅力的で、ついつい繰り返してしまう。代表作だけにどこかで聞いたことのある曲も多く、五番の第一楽章冒頭は特に馴染み深い。▼この協奏曲集は、バッハの就職活動の一環であったという説がある。当時バッハはケーテンの宮廷楽長であったが、ケーテン侯の新しい侯妃が音楽嫌いであったために楽団が縮小され、別の勤め先を検討しなければならなくなった。その転職を有利に行うために作曲・献呈したものであるという説だ。どことなく親しみの湧く話である。▼ちなみに曲名の由来は、この協奏曲集がブランデンブルク辺境伯に献呈されたことから。バッハ自身によるものではなく、バッハ研究家のフィリップ・シュピッタが作者没後に命名したものだ。自筆譜にはただ「種々の楽器のための協奏曲」と書かれている。
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