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社会心理学者のリチャード・ハックマンは、あるセミナーの教壇で「チームに進むべき方向を示す」というリーダーの役割の重要性について語った。見事な事例として引き合いに出されたのは、ジョン・F・ケネディとマーティン・ルーサー・キングである。彼は続けた。「イエス・キリストも、聖職者の目的を決めるために会合を開いたりはしませんでした。」そこで誰かが講義を遮り、こう言った。「たったいま、二つの暗殺と一つの受難に言及されたことにお気づきですか。」▼このエピソードは、リーダーが強力に集団を方向づけようとするとき、その動機や行動がいかに正しい信念に支えられていようとも、現場では往々にしてプロジェクト自体を進行不可能にしてしまうほどの激しい抵抗に遭うという、厳しい現実を示唆しているものとして面白い。臆することなく勇敢に正しさを打ち出してなおそこに≪導くこと≫の難しさがある。ハックマン自身が語る”教訓譚”である。
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