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道歩きの途中、運動会を通り過ぎた。歓声が聞こえてくる。少し行くと右手側には、絵本の棚が見える小さな児童館。子供と絵本、と来るとどうしても思い出される人物がいる。「洋服! あんなものさえなければ、麗しい子供たちの身体を思うがままに眺めていられるのに」▼友への手紙でこう洋服を呪ってみせたのは、『不思議の国のアリス』の著者、ルイス・キャロルことチャールズ・ラトウィッジ・ドジソンだ。数学者であり作家で詩人で写真家であった、この多才な人にまつわる数多くの「少女愛者」エピソードは、いつも大いに世人の興味を惹いてきた。▼ところが現在ではいくつかの研究により、彼の少女愛者説は否定側に傾いている。国際的にも、既に神話となっているらしい。なるほど上のような疑わしい言動の数々も、性癖云々というわけではなく、オブジェの美を求めるに少し純粋が過ぎたということだろう。高くついた代償は、少しずつなし崩されているようだ。
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