400
Post/Edit Page
「人は数字や日付よりも歓喜と笑い声のほうをより鮮明に覚えているものです。」とはミシェル・フーコーの言葉だ。高校の同窓会で懐かしい話題が持ちあがった。私も不思議と一度も忘れることがなかった。複数人でじゃんけんを行って、あいこなしに済ませる、即ち一度で勝負を決めるにはどうしたらいいかという問題だ。▼三人のときは、一人を傍観者とし、残り二人がじゃんけんを行う。あいこのときのみ、傍観者の勝ちとすることで決着がつく。これはKが思いついたんだった、そうだそうだということになった。じゃあ四人はどうする。これは私だ、皆覚えていた。三人でグーとパーのみの「少ない勝ち」をして、あいこのときのみ傍観者の勝利とすればいい。▼では五人のときは……となったところで、六年前は別れた。けれど別れた後も皆考えていたようだ。僕もあれから考えたよ、五人以上のときはこうしてさ……会話はつづいていく。あの頃の笑い声が思い出される。
pass:
Draft