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今は一面農地となっている古代ローマ都市アルティヌムの地で、古きヴェネツィアの街並みが見つかった。発掘されたのではなく「見えた」のだ。航空写真が捉えたその画像は驚きの一言。一昨年の旱魃で水分が不足したため、礎のあるなしなど地中の貯水量の僅かな違いが植物の生育状況の差となって、くっきりと街並みを保存していたのである。まさに「大地の記憶」だ。▼このように航空写真によって遺構の発見を試みたり、遺跡や都市の全体像を把握しようとするのは航空考古学と呼ばれる領域だが、近年ではGoogle Mapのおかげで、航空機を飛ばす必要すらなくなってきているという。”Armchair Archaeology”と呼ばれる新たな領域だ。安楽椅子考古学という訳にでもなろうか。研究室に居ながら遺跡を「発掘」する、フィールドワークのない考古学。一昔前、こんなものをいったい誰が想像しただろう。サービスが学問の在り方を変えてしまうとは、なかなか凄い話である。
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