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生物学者ジェラルド・M・エデルマンは、脳の多様性と統合性を説明するモデルとして、著書「脳は空より広いか」でダーウィンの集合的思考に基づく「神経細胞群選択説」を提唱した。曰く、ニューロンは初期に様々な結合パターンを生成し、解剖学的な構造を整える。後に環境からの入力により結合加重などの構造を変更していくというものだ。豊富な結合のレパートリーから特定のニューロン群が「選択」されることで構造化が行われる。神経ダーウィニズムと呼ばれる所以である。▼さて、ここで語られていない≪残された問題≫は、それではいかなるニューロン群が「選択」されるのかというモデル構築上の実践的問題だ。エデルマンの説を支持するのであれば、この選択原理の解明こそが脳の働きに関する根本原理の解明に他ならない。この原理の発見が成されたときこそ、浮力の発見が飛行機のモデルを実現したように、私たちは脳のモデルの実現に一歩近づくことになる。
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