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作ったものがどうもしっくりこないとき、打開のために何か変化をくわえたいと考える。このとき徐々に変化させて様子を見ようとするのは禁物で、まずはとにかく極端に変化させてみて、それから徐々にやりすぎを修正していくのが定石だ。というのも表現において中途半端はもっとも避けられるべきだからである。▼言いかえれば、表現は局所最適に陥りやすいということだ。「良し」と「さらに良し」のあいだにいくらでも「悪し」の領域が広がっている。この悩ましい空間のうちによりよい解を探して悪戦苦闘するのが表現の推敲だ。▼センスや美意識で空間のイメージを作り上げ、知識や経験で完成形にあたりをつけ、集中力やパラノイアで探索時間を短縮してもなお、行きつく先が「良し」くらいにしか感じられないこともある。そこに甘んじないためには、たとえ近傍に絶望感を覚えても、すかさず遠くの局所最適を嗅ぎつける意識的な飛躍のスキルが要求されるのである。
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