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忘れた頃になんとやら。四年前に貸したきりになっていた本を唐突に返してもらった。赤と白のラインが特徴的な中公クラシックスの、ライプニッツ『モナドロジー・形而上学叙説』である。「見晴らしの数だけ街がある」がよくモナドロジーを言い得ていて、フレーズもなかなか美しいと思ったのを覚えているが、他はいまいち抜け気味だ。▼多才の人と言えば今でもまっさきに彼を挙げる。とんでもない人生を送った人だ。生涯千人以上の相手と文通し、その内容は哲学・法律・神学・数学・幾何学・言語学・歴史学・地理学・生理学・天文学・物理学・光学・化学・医学と、書ききれないほど多岐にわたる学術分野に加えて、外交官としての政策議論や実務家としてのビジネストークも山とある。「知の巨人」の異名を持つ偉人はややいすぎるほどいるが、彼は正真正銘その名に値する一人だろう。現代でも引き合いに出されることの多い、まさに「来るべき時代の設計者」である。
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