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人間には「そう見えるものは、そう振る舞って欲しい」という欲求がある。丸いドアノブのついた引き戸の気味悪さを想起してみればわかるだろう。アフォーダンスと言って、人間工学や情報工学、ユニバーサル・デザイン等とは切っても切れない概念だ。こう振る舞う「はずだ」まで来れば、逆手にとって奇術にもなる。▼人型ロボット界隈が賑わってきた。往年の夢いよいよという気配である。しかしこの夢も完璧な実現の前に一度、アフォーダンスのボーダーを跨がないとも限らない。というのも、いまのところはまだ人間と錯覚するほどの容貌でもなく、声も動きもロボットらしいから「ロボットのように見えてロボットのように振る舞う」段階だが、今後容貌と動作のどちらかが先行して「錯覚するほど人間らしく」なって来ると、なかなか不気味な印象を与えるのではないかと思うのだ。もしそうなったら、私たちはそれにどんな反応を示すだろう。ちょっと楽しみでもある。
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