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日本人が漢詩を作るときに、平仄を守るべきかどうかという議論が尽きないという。守るべきだろう。少なくとも私はそうしている。制約条件を取り払うことは創造性を損なうことだ。和歌や俳諧にしろアレクサンドランにしろ、その制約存したが故に生まれてきた佳句も数多くあるだろう。▼ただし平仄の議論に関しては不必要派の論拠にも一理ある。というのも漢詩の全盛期であった唐の時代の平仄は、既に現代中国語とも異なっているからだ。本家ですら失った発音に固執するのは完全に無意味な制約ではないのか、というのである。少なくとも日本国内だけで発表するような漢詩については、もはや平仄に拘ることの実質的な意味は何一つ無い。▼じゃあ各々好きにやればいいさ、となればいいのだが、ここにまたひとつ厄介なジレンマがある。調べてみると、どうやら本家中国の詞壇よりも日本の詞壇の方が平仄の規律にたいして厳しいらしいのだ。なんとも不思議な話である。
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