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徹夜プログラミングの御供にはカフェインと散歩が必須だ。休憩がてら、そっと家を出てコーヒーを買いに出かける。しかしこの季節、深夜の風は寒い。肌を刺すようなピアシング・コールド。近くのコンビニへ行くさえコート越しにも凍えそうである。こんな夜更けの街路に人知れず吹くような風情の欠片もない風を凩というか知らないが、ざわざわ言う木々はこちら以上に寒そうだった。▼ところで凩は晩秋から初冬にかけて吹く、木の葉を落としてしまう強い風のことだから、冬の季語である。しかし初めからそうだったわけではなく、まだ夏の暖かさも仄かに残る頃、秋が訪れていち早く木の葉の一葉をひらりと落とす、そんな風を凩と呼んだ時代もあった。したがって古い句となると必ずしも冬の寒風を言っているわけではない。いつごろから冬と定着したかはわからないが、平安時代には凩が秋か冬かの議論がまだなされていたらしいから、少なくともその後ではあるだろう。
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