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今年の夏は青系で、秋は茶、冬は少しダルな象牙色……。洋服の色にはその年、その時によって流行というものがある。ファッションだから何かが流行るのは当たり前だが、一昔前、日本で流行を形成していたのは市場ではなく企業だった。それぞれの色を持つ繊維の発注先を均等に割り当てるため、流行の担当を順々に決めていたのである。そうすることで業界は平和的に共存し、繁栄していた。▼しかしここに、自社で生産から流通ライン、販売まですべてをまかなうという意表をついたビジネスモデルを引っ提げて、一躍トップに躍り出た企業がある。つい最近、ヒートテックのセールで話題になった、あのユニクロである。高品質なカジュアルウェアを低価格で提供すると銘打ったユニクロは、大量販売のためにあらゆる人のあらゆるニーズに対応することで、言わば流行形成力を市場側に返し、これまでの日本の繊維・アパレル産業の有り方を根本的に変えてしまったのである。
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