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久々に小林秀雄全集を読み進めた。音楽的活動と相性が悪いのか知らないが、シーケンサーに向かいだすと長らく止まってしまう。別の本が読みたくなるのである。今日のように徹夜明けの電車座席ですら一睡もせずに溺読できる本が、曲を作っているあいだだけはいまいち開いてみる気にならないというのはどういうことだろう。並行するには集中力のリソースが足りないということかもしれない。▼全集七巻は文学の社会的評価とそれに関する文壇の態度、あるいは純文学と大衆文学の対立について論じた短めの批評文が多い。批評的言語の混乱ということもしばしば云々される。ちょうどそんな時期である。「僕らは専門語の普遍性も方言の現実性も持たぬ批評的言語の混乱に傷ついてきた。混乱を製造しようなどと誰一人思った者はない。混乱を強いられてきたのである。」また「現代小説の諸問題」は何度でも読むに足る。我々の現代にも通じる教訓が山のように積まれている。
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