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ガー・レイノルズの『プレゼンテーションZEN』はこの手の指南書には珍しい良書である。箇条書きが延々とつづくスライドの不合理を説き、文字を減らし効果的なビジュアルを用いた簡素で簡明なプレゼンテーションを推奨する。何故そうあるべきか、如何にそうあるべきか。鈴木大拙まで引き合いに出して、禅(ZEN)の心得からプレゼンの理想的なあり方を探るという、そのちょっと突飛な角度がまた面白い。▼もちろんここで推される「ジョブズ式のプレゼン」を手放しで推奨するわけにはいかない。いつもいつでもビジュアルですべてが説明できるわけではないからだ。しかし本書の全体をつらぬく基本的な思想は、文字を排し画像を用いよという単純な教示ではなく、プレゼンテーションは聴衆を退屈させるものであってはならないという極めて健全で常識的なものである。そこに嘘はない。ここで紹介されているのは、その親切心を具現化するための手引きなのである。
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