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ボードレールってどんな詩人だいと聞かれて、そう真面目に答える流れでもなかったから言下に「中二病の親玉みたいなやつだよ」と評したことがある。そりゃあボードレールには悪かった、とんでもない言い草を謝りもする。けれどいまいちど「悪の華」を拾い読みしてみると、どうもこの表現、不真面目な応答としてはそこまで的を外していなかったという気がする。▼中二病的な表現というものは、何らかの実体を想起することなく、無内容な言葉それ自体が迫力や格好良さを持つところに意味がある。つまり荒っぽく言えば、現実のうちに言葉の対応物を求めないところに意義を持つ象徴主義の系譜に属するものなのだ。してみれば象徴派における頽廃美の白眉「悪の華」が、嗜みとしての厭世もパフォーマンスとしての絶望も、なんだって汲んで来られる≪バイブル≫になりえてもおかしくはない。「閃く君の稲妻は、僕の心に居心地のよい、「地獄」の反射だと知ってくれ!」
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