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江戸川乱歩編『世界短編傑作集1』を読む。名作に加えてマイナー作者の優秀な作品も積極的に収録した推理短編小説アンソロジー第一巻。変則的ながら、全収録作品への短評を今日の記事としてみよう。▼ウィルキー・コリンズ「人を呪わば」、成り行きにただ微苦笑。後味は人次第か。アントン・チェホフ「安全マッチ」、やはり推理小説というよりはチェホフ流のユーモア。アーサー・モリスン「レントン館盗難事件」、英国ティータイム風の軽妙なトリックが秀逸。アンナ・キャサリン・グリーン「医師とその妻と時計」、古風かつ典型的な短編。描写の巧緻と題が特筆。バロネス・オルツィ「ダブリン事件」、一行が物を言う切れ味。いかにもアイデア一本の推理掌編。ジャック・フットレル「十三号独房の問題」、序・中盤の牽引力はあるが、解決編の出来合い感はどうか。ロバート・バー「放心家組合」、快作。軽やかなリズムが見事。この巻ではこれがいちばんよかった。
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