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『宝島』の著者スティーヴンソンは、地図について興味深い意見を述べている。「自分の選んだ地図を忠実に守り、そこからインスピレーションを引き出すようにすれば、つまらないミスを防ぐという消極的効果だけでなく、確実に得るところがある。地図をながめていると、思いがけないさまざまな関係が浮かび上がってくる。なぜ気づかなかったかと思うようなところに、登場人物たちにとっての通り道や近道が見えてくる。」▼多くの優れたフィクション作家が、そのプロットに手製の地図を添えているのは注目すべきだろう。『宝島』も地図への落書きから生まれたそうだ。確かに自分の小さな頃を思い出してみても、見知らぬ土地の地図を眺めているだけで、人と人とが移動しながら織りなす簡単なドラマの自然と浮かんでくることはよくあった。そのとき地図が詳細であればあるほど、より具体的なストーリーを思い描けていた気がする。「積極的効果」の小さな一例だろう。
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