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ことわざや慣用句の用法で、「よくある誤用」をまとめたサイトや本は多くある。そんな中で、ずっとそういう意味だと信じていた用法が、誤用として挙げられているとぎょっとするものだ。久しぶりに長らく意味を勘違いしていた語に出会った。▼『薬にしたくもない』は、薬は僅かな量でも効果のあるものだが、そんな少量すら無いということから「ほとんど見つからないほど少ない。ほんの少しも見つからない」という意味である。「彼には協調性など薬にしたくもない」のように使う。それを、うんざりして「薬にもしたくない」の意味だと勘違いしていたのだった。実際そうも取れる形をしているのがまた憎らしい。▼ちなみにウェブの「慣用句辞典」では「薬にしたくもない」の項目に、「こんな大臣は男色の方には、薬にせふといふてもなし」と『傾城禁短気』に見られる用例を紹介しており、少なくとも千七百年以前の昔から使われていた古い慣用句であることがわかる。
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