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いまこんなことを思い描いているとか、いまこんなふうに感じているとか――そういうある時間で切ったときの表象や感覚というものが、感覚的には存在しているように思える。しかし厳密に「フィーリング」というものを定義しようとすると、どうしても時間軸上のある二点を要することに気づく。「描く」「感じる」は、たしかに微小変化でなければならない。▼「布の手触りを確かめるにも、私たちは指を表面に触れたのち、ある点からある点へ動かしてみなければならないことを確認したまえ」こう指摘したのは、哲学者チャールズ・サンダース・パースである。このパースの思想を発展させて、精神ひいては脳の働きも、すべては推移的なものであると唱えたのがウィリアム・ジェイムズだ。そうして彼らから一世紀を閲した今、アイデアは脳科学へと受け継がれ、エデルマンのダイナミック・コア構想となって実証を待っている。フィーリングの謎が解き明かされる日も近い。
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